カン・ロアメ's Blog

~海外に住んでみて見えた日本の日常生活について思うこと~

ぬいぐるみの役割

フランスではDoudou(ドゥドゥ)と呼ばれる、

乳児期ぐらいから発育・子育てに一役買っていて

そのお気に入りのお友達Doudouの存在が一般的だそうです。

 

それはぬいぐるみや人形でなくても、たとえば毛布なんかでもそう呼ぶそうですが

子どもの親友であり、いつでも一番の味方。幼稚園にも持って行って良いそうです。

 

そういえばペネロペというフランス人作家の絵本のキャラクターも

いつも青いウサギちゃんを持っています。

イギリスですが、ぷーさん、ミスタービーンも言わずもがな。

 

欧米は赤ちゃんのうちから両親と別室で寝たりと

自立を早くさせていくというのもありますが

フランスは特に離婚なども多いので、このDoudouような「半永久的な家族」の

存在も大きいのかな、、、と私は思います。

(というか家族ってなんだろう。日本だと血縁関係が主力要素ですが、

、この話はまた別の機会に)

 

ところで、ぬいぐるみ好きは、

親和欲求(誰かと一緒にいたい欲求)が

男性より女性の方が比較的多いのと関係があるのか、

女性の方が多いようです。

くっついて安心したい欲求とでもいいましょうか。

 

でも私は、言わないだけで、男性も結構好きだよな、と思います。

 

日本の有名ユーチューバーさんの部屋にはぬいぐるみ沢山ありました。

マンガやゲームのキャラだと愛着が湧いているし、

そのキャラを知っている仲間も多いので公開しやすいのでしょうか。

 

フランスのDoudouは誰も知らないキャラ(と呼んでよいものか)の方が

多いと思います。

というか、本やテレビの前に その子の存在があり

見たこともなかったその子が、ドコの子かもわからないまま、好きになる。

 

推しの〇〇県/アニメのキャラだから

よく目にするから

人気で確かに可愛いから

…とかではなく、純粋に形や触り心地で気に入られる。本能的。

ぬいぐるみ冥利につきますね。

 

もうちょっと年齢が大きくなると、お世話人形や恐竜やヒーローものでしょうか

トイ・ストーリーの世界です。

 

さて、私には歳の離れた兄弟がおりまして、昔からあまり仲がよくありません。

しかし、4歳くらいから、ある熊のぬいぐるみを通して遊ぶ時だけは

兄弟とても和やかでした。

その熊の子の声や性格もだんだんと確立されていき(笑)

やがて大人になってそのぬいぐるみタグを見て、へーこういう会社名なんだ、

Made in 〇〇 なんだ、なんて話になりました。

 

そして気が付きました。

あの子は兄弟間の潤滑材だったなと。

 

お互い意地を張って言えない時、プライドが邪魔をして頼めない時

そういう時にも自分の代理として活躍してくれました。

 

そしてぬいぐるみの大きな役割と思えるのが下記です。

 

「ぼくらベア・ベアーズ」というアニメの主役の一人、パンダ君が

小さい頃パンダセンターから脱走する時、

「パンダ2号」と名付けた自分のぬいぐるみに別れ際、話しかけます。

「え?だめだよ、何言ってるの、君をおいてなんか行けないよ、、、、」みたいなセリフでした。

視聴者にはもちろんぬいぐるみパンダが何か言ったようには見えません。

(英語で視聴したのでウロ覚えです)

 

これです、これ。

これぞDoudouだなと思いました。

 

自分の中で、都合のいいセリフを言ってくれる、本当にそう言っているように

思える存在。表情まであると思わせる存在。

 

人間(兄)の頼みは聞けないけど、その子の頼みは聞けるという存在。

 

時に困らせるけど決して裏切りはしない大切な友達。

(向こうからは裏切らない、内面的に幻滅しないという点では

ラブドールを求める人と似たような心理なのかもしれません。。)

 

ペットのような生身の生き物が飼えない家では、特に大事な家族にさえ

なってしまう。

 

大人になってもぬいぐるみが好きな人は

リアルな友達が少ない人や、親の愛情が不十分だった寂しい人…?

てか、大人でぬいぐるみとかちょっとキモ、あぶない人…?

大人になりきれてない人...?

というネガティブ意見もありますが

 大切な人を失ったときにセラピーになってくれることもあります。

 

何よりぬいぐるみが可愛いなら

誰にも迷惑かけてないなら

老若男女、大人でも可愛がって良いと思います!

 

ただし、居合わせた人が驚いたり不快になる可能性もありますので

まずは一人、または気心の知れた人の前、あるいはSNS内で。。